【日時】2021 年8 月18 日(水)10:00〜12:00

【会場】神奈川県立柏陽高等学校

【対象】キャリアアップ講座の1コマに応募した高校生第1学年5名、第2学年1名

【担当講師】知財創造教育支援委員会委員 太田 努

神奈川委員会委員 金子 正彦(記)

知財創造教育支援委員会委員 佐藤 高信

■授業の概要

前半(50分)では太田委員が「知的財産権に関する基本的なお話」との題で講義を行いました。商品「ポッキー」と「トッポ」を見せながら、「手を汚さずに食べることができるお菓子を作ろう」というアイデアから「トッポ」が生まれたこと、特許出願方法の図解、「パイプの中を中空にしたプレッツェル」との表現にして中にチョコレート以外を入れても良い工夫をしたなど、特許の重要ポイントを分かりやすく説明しました。生徒に質問を投げかけて考えてもらいながらの進行でしたので、生徒は理由を良く理解できたようです。意匠と商標についても特許との類似点、相違点を示しながら説明しました。

後半(40分)では金子委員が「発明者の立場からの知的財産権」と題して講義しました。企業で30年間研究開発を行って、後に弁理士になった経験を話し、関わったいくつかの特許について紹介しました。他に、予め配布済の水平開きノートの特許発明について解説しました。高校生が創作した意匠、発明した特許も数件紹介しました。「切り餅」と「白い恋人」について商品を表示、回覧しながら特許、商標をめぐる裁判事例のいきさつを説明しました。アレルキャッチャーマスクも実物を手にとってもらいながら、ウィルス飛沫をブロックする特許発明の中身を説明しました。

最後のまとめ(15分)では佐藤委員が転がり軸受の特許事例の紹介と職務発明についての説明をした後、生徒からの全体についての質問を受け付けました。

生徒には講義の感想をアンケート用紙に記入してもらいました。

■生徒の感想(一部)

・知的財産についてよく知ることができたし、トッポなど意外と身近に知的財産に関する法律があるということに驚いた。このような授業を通して法によって我々の生活、企業が守られていることを実感できた。

・私は「知的財産権」という言葉の意味を理解せずにこの講義を受けたのですが、イラストや図が多く、トッポやおもちやマスクなど例が身近だったので、特許を身近に感じることができました。

・今回の講演は初めて知ることばかりでとても刺激的でした。「特許」という言葉は聞いたことがあったのですが、承認されるまでの道のりや大変さというのは初めて知り、ただその大変さを含めて弁理士という仕事の面白さを感じました。

・句読点の有無や特許を申請する範囲など、かなり細かいことでも特許をとれなかったり問題がおきたりして、大きなお金が動くこともあるというのがとても興味深く面白いと思った。

■担当講師の感想

参加人数は少なかったですが、参加者は夏休みの中で積極的に授業を受けて学びたいという意気込みがありました。1年生中心でしたが、質問を投げかけてもしっかりと自分の意見をいう生徒が多く、レベルの高さも感じました。そのせいもあって、生徒の感想文からも、知的財産権のことは初めて聴いたにもかかわらず、講師が話した知財の基本的なことや、具体的な商品を示しての事例紹介などを興味を持って聴いて、理解してもらえたと思います。



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