【日  時】2025年8月10日(日)13:30〜16:00

【会  場】江戸川区子ども未来館

【対  象】小学4、5年生 20名

【担当講師】知財創造教育支援委員会 委員 伊藤夏香、斉藤進

■授業の概要

今回は夏休みスペシャルということで、レギュラー14名、夏のスポット参加6名の合計20名が集まってくれた。

2部形式で、前半は講義を、後半は工作を行なった。

講義前半(約30分)では、お土産に渡す予定の「ヒット商標はこう生まれた」の中から、身近な知的財産権(発明)の具体例として、雪見だいふく、お爺ちゃんのノート、カップヌードルを提示して、特許、商標、意匠について広範な説明を行った。またAIが作成した、「ジブリ風」、「藤子・F・不二雄風」といったような「〜風」の絵画の著作権についても説明した。

講義後半の工作では、ペーパータワーを作ってもらった。具体的には、各チームに、裏紙30枚、画用紙10枚を渡し、基本条件として、(1)自立できること、(2)重し(ジャガリコ)の荷重に耐えられることを課した。また選択要件として、以下の中から少なくともどれか1つを満たすこと、(3)高いこと、(4)奇抜であること(デザイン性が高いこと)、(5)SDGs(現状回復し易いこと)を競ってもらった。裏紙の追加が求められて、結果的に各チームに裏紙を(30+20+20)枚を渡した。

基本条件を満たしたものについて、(1)自立要件(3点)、(2)荷重要件(2点)の配点で加点した。また選択要件(最高15点)について、各要件について評価の高かった上位チームから順に5,4,3…と加点した。(4)デザイン性については、各人に各チームのタワーについて投票してもらう形式を取った。そして、総合点で、順位を競った。

基本条件(1)(2)を満たせたチームが、総合点で上位となり、1,2位となる結果となった。当初は1位にのみ景品(ノベルティー)を渡そうとしていたが、1,2位が僅差だったこともあり、2位のチームにも残りの景品を渡した。

■ご依頼者様のコメント

ご依頼元の担当者の方から、「いつもより人数も時間も拡大された授業をありがとうございました。最終的に20人が集まり、安心しました。ペーパータワーは例年より「奇抜なデザイン」や「タワー作成後の後片付け」など評価内容が深まり、参加者も熱中して作業していたのが印象的でした。「とにかく高くすればよい」や「基礎を固めてから上にのばしていく」などチームごとにいろいろな発想があり、妥当な結果になりました。参加者は自分のチームと他チームのそれを見比べて創造力とチームワークの大事さに気が付いたのではないでしょうか。また、特許と意匠加えて、タワーの命名も課すると商標の要素が盛り込まれたかもしれません。」とのコメントをいただいた。

■生徒さんからのコメント

生徒さんからは、「いろいろなアイディアで他の仲間といっしょにタワーを作って楽しかった。知的ざいさんけん、…などいろいろな知らないことを知れて楽しかった。」、「(タワーが自立しなかったことは悔しかったけど、)高さだけじゃなく全部をしっかりやることを学びました。もっとけいかくを立ててしっかりできるようになりたいです。」、「負けたけどみんなと作れて楽しかった。たおれてしまったけど、そう少し強くできていたら自立できていたと思う。たくさん紙を使ったけど最後は全部もどせた。」などの感想が寄せられた。

■担当講師の感想

いつもより時間が長かったので、発明工作にしっかり取り組めました。初めて会った子同士でもいろいろな工夫のアイディアが飛び交い、各チームとも頑張っていました。弱い裏紙と丈夫な画用紙をうまく組み合わせたチームもあり、デザイン性も評価されるとあって、高さだけでなく手分けして飾りつけに気を配っているチームもありました。

授業開始前に、ハッピョンのレッスンバックに、前回作成した缶バッジを付けて、笑顔で教室に入ってきた生徒さんをみて、喜んでもらえていることを実感しました。

生徒さんの感想文の中には、計画を立てることの重要性、チームメートとの意見をまとめることの難しさ、といった気づきがあったので、成果が感じられました。タワーの自立の有無はありましたが、皆さん目を輝かせて楽しそうに作っていたのが印象的でした。

最後にタワーを解体した後、ほとんどのチームがセロハンテープを剥がして元の裏紙の状態まで回復出来ていたことが嬉しかったです。SDGsは少し知財の話から外れる感はありますが、物つくりの思想の流れとして、同じ物を作るのならば、極力ゴミを出さないこと、再生可能に作成することの意義が少しでも分かってもらえたら嬉しいです。





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