【日時】2023年7月26日(水)14:00〜16:00

【会場】中央区立教育センター

【対象】小学5年生 19名

【担当講師】知財教育支援委員会委員 藁科 えりか、谷島 隆士、太田 努

                  原田 潤子(オブザーバー)

■授業の概要

概要は以下のとおり。

1.座学(30分)

2.移動時間(15分)

3.工作1(45分):「片手で持てるかな?」

4.工作2(20分):「フライングディスク」

5.感想文記載、提出、事務連絡など(10分)

各詳細は以下のとおり。

1.座学(30分)

担当講師ごとに分担しながら視聴覚室で行った。まず、発明や特許とは何かの説明
を、谷島委員から音声入り紙芝居を交えながら紹介した。次いで、発明の具体例とし
て太田委員からは動画を用いて「弱いロボット」を紹介し、藁科委員からは模型を用
いてカップヌードルの技術紹介を行った。

2.移動時間(15分)

実験室への移動がてら、廊下に準備された発明協会様の「本物・偽物展」を見学し
た。実験室移動後は、座学で紹介した「泡で出るハンドソープ」(ビオレお花・肉球
型の泡スタンプハンドソープ)を試しながら手洗いを行った。

3.工作1(45分):「片手で持てるかな?」

実験室で「片手で持てるかな?」の工作を行った。紙コップ、紙皿、方眼紙、割りば
し、ストローなどを使用して、ジュースとポップコーンとを同時に片手で持つことの
できるものを自由に作成していただいた。

設計図を描いてから工作する生徒や、作りながらどんどん発想を膨らませていく生徒
など、各々がそれぞれのやり方で進めていた。早いうちに完成したという生徒も、
「もっとよくできる?」との声を受けて、さらに改良をしようと意欲的に取り組んで
くださった。

中には「(ジュースとポップコーンを片手で持てる道具は)すでにあるじゃん」と頭
を悩ませていた生徒もいたが、終わってみればどの作品にも独創的な部分があり、さ
すが5年生といったところだった。最後に、希望者に作品を発表していただいた。

4.工作2(20分):「フライングディスク」

実験室で「フライングディスク」の工作を行った。試行錯誤する工程を楽しんでもら
うべく、工夫した点や飛距離をメモできるワークシートを配布し、1mおきに目印の
テープを貼った廊下で飛行テストを行えるようにした。生徒は、工作と飛行実験を繰
り返し「軽すぎると飛びづらい」などの発見をしながら、改良を重ねていた。異なる
紙皿を組み合わせて二重にしてみたり、中空形にしてみたりするなど、工夫をしなが
らうまく飛ぶ形を探究していた。

5.感想文記載、提出、事務連絡など(10分)

生徒の皆さんに感想文を提出していただき、日本弁理士会からはどうぶつクリップペ
ンのノベルティをお渡しした。

■担当講師の感想

発明協会様の「本物・偽物展」は、正規品と模倣品とを並べて展示していたもので、
大人が見ても楽しめる内容だった。中には子どもに人気のキャラクター製品の模倣品
もあり、どちらが本物かを楽しみながら推理する様子がうかがえた。知財への関心を
高めるよいきっかけになったのではないかと思う。

また、いただいた感想文を見ると、最後のフライングディスク工作を楽しんでくれた
生徒が多いようだった。実際、講師から見ていてもフライングディスク工作の時間は
誰もが活発に取り組んでいて、頭も身体もフル回転させている様子が見てとれた。特
に、なぜフライングディスクが飛ぶのかを考えることを楽しんでいる生徒が多く、終
わりの時間が来てもほとんどが工作を続けたがっていた。

一方で、「片手で持てるかな」の工作や座学の内容に触れた感想文も多かった。「片
手で持てるかな」は自由度の高い工作であり、創意工夫できる幅が広かったことが生
徒の印象に残ったのかもしれない。座学についても、一方的な講義ではなく生徒に考
えてもらいながら進める形式としたことがよかったのではないか。全体的に、ただ単
に「楽しかった」の感想で終わるような授業とはならなかったようで安心した。




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