【会場】江戸川区こども未来館
【対象】小学4年生〜6年生 12名
【担当講師】知財創造教育支援員会 委員 坂田樹(報告者) 伊藤夏香 (オブ
ザーバ:北風由美子)(敬称略)
■授業の概要
・座学
伊藤より、前5回のテーマのおさらいを行った。
その後、坂田より特許を中心に講義を行った。
工作をペーパーブリッジとしたため、「橋」をテーマとして、古い特許明細書を見
てもらった。
・工作
おもりに耐えられるような構造をつくることを目的として、ペーパーブリッジを製
作してもらった。
■ご依頼者様のコメント
10日の知財講座は今期の総まとめにふさわしく活気あるものになりました。
全体を見ていてわたしが気付いた点を述べます。
・材料(紙とセロハンテープ)を無制限に使っていましたが、橋梁の設計は「資源の
節約と最大強度の付与の両立」が課題になるのであり、無尽蔵の資源を無制限に使う
と工夫が不足してしまうのではないかと思った次第です。また、ぺらぺらの紙ではな
くて頑丈なボール紙でスタートした時点でペーパーブリッジの趣旨から外れているか
もしれない、とも思えました。
・重りはビー玉でしたが橋が「崩落」したときに床いっぱいに散らばるのでビー玉の
使用は再考の要ありではないでしょうか。
以上いろいろ書きましたが先生方の熱意はじゅうぶん小学生たちに伝わりましたの
で、彼らは今後知的財産に敏感になり、発想を新たにしていくのではないのでしょう
か。
■担当講師の感想
座学では、古い時代の明細書などを参照して、特許制度が明治時代からあること
や、改良発明の話をしました。特に、昭和初期の明細書を参照しましたが、旧字体で
書かれている部分が多かったため、却って子供たちの興味を引き、積極的に読んでみ
ようとしているようでした。小学生相手ということもあり、まずは興味を持ってもら
うことが重要と考えていたので、その点は良かったのではないかと考えています。
工作では、2〜4人のチームに分かれて椅子の間に紙製の橋を掛け、紙コップに入
れたビー玉をおもりにして、重さに耐えるものを製作してもらいました。セロハン
テープの使用法によっては簡単にクリアできてしまうことがあったため、だんだんと
セロハンテープの使用に制限を掛けていきました。最終的に、一切使用しないで橋を
製作する(初期の構想)というところまで行きましたが、うまく形にまとめるチーム
と投げ出してしまうチームとあり、何とか全員に作り上げてもらえるような指導がで
きないか模索中です。
また、こども未来館様のコメントにもあるように、ルールに改善の余地がありそう
です。