【会場】文京区窪町小学校「体育館」
【対象】小1:10名、小2:10名、小3:2名、小4:4名、小5: 3名、小6:2名 計31名
保護者 約21名、帯同未就学児:約12名
【担当講師】知財教育支援委員会委員 原田委員、谷島委員、
オブザーバー 美川委員長、斉藤委員
■授業の概要
・講義(30分)
最初に発明のことを知ってもらう目的で、電子紙芝居 「パン職人レオ君の物
語」を上映しました。会場が体育館でしたので、巨大なスクリーンを使用しました。
音声はプロジェクターのスピーカーの部分にマイクをかざして、体育館全体に聞こえ
るようにしました。事前に映像や音声のチェックをしていたので、問題なく実施でき
ました。「工夫」は「発明」、「発明」は「工夫」のキーワードを覚えてもらいまし
た。
次に、身近な発明品紹介(ビオレU泡スタンプハンドソープ、瞬足)、小学生の
発明品紹介(ハルカのペーパースコップ、せんたくばさみ まとめるくん)、発明ク
イズ(カップラーメン、ジッパー、絆創膏、回転寿司の4つを選択)をしました。
「困っていること」を見つける、「こんなものが欲しい」と思う、そして時には「人
を思いやる気持ち」が「発明(工夫)」がうまれるきっかけになることを伝えまし
た。発明クイズには保護者も参加してもらいました。
・発明工作(40分)
休憩を自由に取ってもらう形式で(休憩時間に泡スタンプハンドソープを体験しても
らった)、「空飛ぶおもちゃ」の発明工作を行いました。発明工作の場所は、体育館
の半分より前に机・イスを並べて行い、飛行実験ゾーンは体育館の半分より後ろで行
いました。準備時間で飛行実験ゾーンをカラーテープで4分割し、白エリア、赤エリ
ア、黄色エリア、金エリアを作っておきました。空飛ぶおもちゃが着地したエリアと
同じ色の丸シールを実験メモシートに貼る運用にしました。シールを渡すのは、お手
伝いの保護者にお願いしました。飛行場所では、飛ばす前に、委員が児童や保護者の
方に、工夫したところやデザインについてインタビューしたり、コメントを伝えたり
しました。
今回はフライングディスクの材料を準備し、「空飛ぶおもちゃ」を発明しようと説明
しました。また、基本的には、「遠くまで飛ばすこと」を目標としましたが、デザイ
ンやおもちゃの名前を工夫をするのも自由であると伝えました。そのため、いつもの
ような丸皿を使ったフライングディスク形状のもののほか、ブーメラン型、飛行機
型、ロケット型、ロケットランチャー型、手裏剣型、座布団型など、様々な形状(発
想と工夫とデザイン)が生まれたので、我々も驚きました(楽しかったです)。自由
な発想をテーマにしたことが良かったと思います。また、飛行実験は工作時間中、各
自のタイミングで行ってもらい、飛行大会は最後に各学年ごとに行いました。最後に
お父さんチーム、お母さんチームの時間もとり、会場全体は大盛り上がりでした。体
育館の2階まで飛んで行ったものがお父さん、お母さんそれぞれいらして、拍手喝采
が生まれました。今回の趣旨が「親子ふれあい教室」でしたのでピッタリな企画とな
りました。
また、今回のイベントは、依頼責任者の方、そして保護者さまが8名ほど、お手伝
いをして下さいましたので、準備や片付けもスムーズに行うことができ、運用として
は大変助かりました。
・おみやげ
水平ノート、動物クリップペン、「ヒット商品はこうして生まれた」冊子、はっぴょ
ん通信を不織布バッグに入れて、感想文と引き換えに渡しました。どれも喜んでもら
えたようです。
■参加者の感想(48名分中、一部抜粋、原文ママ紹介)
「さいしょはあまりとばなかったけれど、なかをかるくしたらちょととおくにとん
だ」(1年)
「自分のフリスビーを作れてうれしかったです。シールとかもはれてうれしかったで
す。またやりたいです。」(2年)
「工作をして楽しかったし、金色シールをとれてうれしい。」(2年)
「工ふうして最後にたくさん飛ばせたのがうれしかった。流せんけいで飛ばしやすく
した。」(2年)
「ずっとくふうをもちながら、いきていけばみんなのやくにたてると思います。これ
からも人のやくにたつものをたくさん作っていきたいです。」(3年)
「軽さやうすさ、そして重心をしっかりさせる工夫をしたらよくとんだ。」(3年)
「工夫がいろいろできたと思います。なぜなら、最初にあまり飛ばなかったけど、い
ろいろ考えたりして最初よりもよくとんでいたから。」(5年)
「いつもの図工では作ることのできない面白いおもちゃを作ることができた。どう
やったら遠くまで飛ぶのかを考えるのも楽しかった。絵をかいたり、色をつけたりし
て、自分なりのおもちゃを作ることができたので、嬉しかった。自分のテンションが
上がる絵をかくと遠くに飛んだ!!」(6年)
「同じ材料から様々な作品が生み出されていて面白かった。子どもと一緒に発明につ
いて考えることができてよい機会となりました。」(保護者)
「「発明」についてのスライドやお話がとても分かりやすく、身近なものから発明の
工夫が生まれることを知りました。・・・親も夢中に楽しく参加できました。」(保
護者)
「子どもたちと一緒に楽しく”工夫する“経験ができてよかったです。簡単なことで
も”発明“になる。子どもたちと一緒にこれからたくさん”発明“していきたいと思
います。」(保護者)
■ご依頼者のコメント
「先日は、「発明教室」を実施していただき誠にありがとうございました。
皆さまの子供たちへの優しさ溢れるあたたかい眼差しの中、子供たちはもちろん大人
たちまでも本当に楽しめた時間だったと感じています。
前半の講義では紙芝居、身近な発明品(ビオレ、瞬足etc.)、クイズなどといった低
学年の子供にも大変わかりやすい内容で、積極的に参加する子供たちの姿がとても印
象的でした。そして後半の工作においては、自由な発想でもくもくと工作する子供た
ち、その傍らで少年少女のような目で工作に取り組む大人たち(笑)、そんな大人を
みて喜ぶ子供たち、今回の目的である「親子のふれあい時間」が目いっぱい詰まった
非常に素晴らしい時間だったと思います。
今回の企画を通して「発明の楽しさ、自由な発想でいいんだ」というメッセージが十
分に子供たちに伝わったのではと感じています。
急な依頼だったにもかかわらず、本当に素晴らしい体験をご提供いただき改めてお礼
を申し上げます。また機会がありましたら、ぜひよろしくお願いいたします。」
■担当講師の感想
「親子ふれあい」がテーマであったので、親御さんも参加できる内容として考えたの
が当日の成功の1つであったと思います。小学生の子ども達だけでなく、親御さん夢
中になって工作や飛行大会を楽しんで下さり、とても盛り上がり講師としても嬉し
かったです。イベント(依頼者側)の趣旨を考慮して、全体と運用を考えることが大
切であることを改めて感じました。依頼者様との事前の打ち合わせと、会場の下見が
しっかりできたことも良かったと思います。
また、発明工作を「空飛ぶおもちゃ」にした点もよかったと思います。これまでにな
い形状のものも生まれ、発想の自由が生まれたと思います。参加者約7割が低学年で
したが、飛距離を伸ばす工夫だけでなく、デザインを工夫してくれたり、おもちゃに
名前を付けてくれたり、自由に楽しんでもらえました。どの子ども達も、一生懸命に
何度も改良に挑戦している姿が印象的でした。
また飛行実験を各自のタイミングにして、飛距離に応じて色の違う丸シールを貼って
もらうようにしたのもよかったと思います。写真にあるように、低学年にも改良の段
階が明確に見えて、飛行実験をふまえた発明が生まれたと感じました。
また、未就学児をつれてくる親御さんがいらっしゃることを聞いていたので、床にブ
ルーシートを貼り(体育館の床に落書きされないように)、そこに画用紙やクレヨ
ン、折り紙を別途準備していたことも、親子ふれあいの場としてよかったと思いま
す。
今回、体育館の前半分を工作場所、後ろ半分を飛行実験場所と分けましたが、飛行場
所以外でおもちゃを飛ばしている参加者もいて、先端が尖った作品などがより小さい
お子様にあたらないかどうか心配な場面もありました。幸い、どなたも怪我無く無事
に終了しましたが、どのように注意していくか、今後の課題になるかと思います。