【日時】2024年7月17日(水)17:45〜19:20(45分×2コマ)

【会場】東京都立大山高等学校 視聴覚ホール

【対象】35名(1学年6名、2学年5名、3学年9名、4学年7名、職員8名)

【担当講師】知財創造教育支援委員会委員 高橋 洋平(第1コマ講義担当)

東京委員会委員 永田 俊策(第2コマ講義担当)

【補助講師】知財創造教育支援委員会委員 根岸 裕一

同委員 大久保 真己

■授業の概要

 同校はその特色として「入学してよかった」と実感できる学校を掲げており、在学
期間を4年間として全日制よりも1年長く高校生活を過ごし、時間をかけてゆっくり
学ぶことができることを本校の魅力としております。また、この授業は東京都教育委
員会による「都立高校生の社会的・職業的自立支援教育プログラム事業」の一環とし
て同校で実施されたものです。

 本授業は前半の1コマ目に「知的財産の一般教養」を行い、後半の2コマ目に「社
会生活で学生が気をつけておくべき知的財産法(例:インターネットにおける著作権
等との関わり方)」を行いました。

 具体的には、1コマ目の「知的財産の一般教養」では「企業が新製品を作るときの
流れと弁理士の役割」をテーマとして実在する子供用スポーツシューズの開発話をス
トーリ仕立てにして、技術開発、意匠・商標・著作物の創作を説明いたしました。特
に技術開発の説明の際には受講生に技術課題を与えてワークを実施しました。また、
キャリア教育として弁理士の日常業務や講師が弁理士になった経緯なども説明しまし
た。

 2コマ目の「社会生活で学生が気をつけておくべき知的財産法」では、「何かとア
ブナイ!著作権の注意ポイント」をテーマにして「クイズ形式による著作権トラブル
の実例」、「生成AIサービス利用にあたっての注意点」、「音楽著作物の実例とお
金の流れ」など、著作権法に関する身近な事例を解説しました。

■受講生のコメント

 「知っているようで知らない事が多くてとても勉強になりました。」、「著作権は
とても難しいということを理解することができた。曲を作った人には金が少ししか入
らないということなどを学べた。」、「弁理士のことは聞いたことはあったけどどん
なことをしているか知らなかったんですけど、今日の授業でどんなことをしているの
かを知れました。」といった嬉しい感想を頂戴しました。

■担当講師の感想

 45分×2コマの長丁場の授業でしたが、受講生は集中して授業を聞いてくれまし
た。1コマ目の授業を身近な事例を踏まえてストーリ仕立てにして説明したことで、
商品開発の経験のない高校生でも理解することが容易となるように工夫しました。ま
た、子供用スポーツシューズのソールを開発するワークを授業の途中で入れたことに
より、講義内で説明する商品開発の流れを疑似的に体験できるようにしました。

 2コマ目の授業では、著作権の基礎知識を長々と説明するようなことはせず、曲が
売れると誰に何%の売却利益が配分されることを示したフローチャートを示したり、
クイズ形式で身近な著作権侵害の事例を説明したり、高校生が身近に接しているSN
SやチャットGPTを通して著作権侵害の危険性を説明したりするなど、一見では理
解しがたい著作権法を身近に感じてもらえるように工夫しました。


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