【日時】2024年7月12日(金)10:30〜12:20

【会場】千葉県立柏の葉高等学校 3Fコンピューター室

【対象】1コマ目:高校2年生40名、2コマ目:高校1年生40名

【担当講師】知財創造教育支援委員会委員 高橋 洋平

千葉委員会委員 堀  宏光

■授業の概要

 同校情報理数科では、大学進学に必要な学力をはじめ、「情報を活用する力」「分
析する力」「課題を解決する力」を身につけさせ、21世紀をリードできる人材を育成
することを教育目的とする学校です。

 同学科では当日に夏季セミナーの一環として研修1「弁理士さんに学ぶ!知的財産
権入門と情報技術の知的財産権」と研修2「インタラクティブな音と映像」が行わ
れ、当該研修1(以下「当研修」という。)を当会講師が担当しました。

 当研修では1・2コマを同内容とし、各コマを2部構成としました。1コマは50分
で、第一部を15分、第二部を25分、残りの時間を質疑応答としました。第一部を講師
の高橋が担当し、知財を勉強する必要性や財産の種類や概要など知的財産権に関する
基礎知識を解説しました。第二部では堀講師が担当し、特許権、回路配置利用権、著
作権、不正競争防止法、営業秘密/限定提供データ関連法など、同学科に関連する法
域の考え方と裁判例を解説しました。

 受講生は高校の情報科目にて知的財産権に関する一般知識を受講済みです。そのた
め、表面的な知識教授で終わらぬよう、基礎的な知識を交えながら実例を踏まえて講
義を行いました。

■受講者のコメント

 授業後に受講生80名に対して感想文の提出をお願いしました。その際、肯定的な意
見だけでなく、説明がわかりにくかったことや、このような内容を聞きたかったなど
の肯定的でない意見も遠慮なく書いてほしい旨を伝えたところ、全員から肯定的な感
想をいただきました。感想の一例を以下に転記します。

「生成AI等と関わる機会が増えた今、権利について知ることができて良かったです。
関わってきたはずなのに知らない権利があったり、どういう事例が過去にあったりし
たのか初めて知ることがたくさんあり、驚いたとともに今まで自分自身が何か権利を
侵害していないかを思い返す良い機会となりました。」

■担当講師の感想

 受講生の大半が真剣に授業に取り組み、かつ、将来理系職を希望するということも
あり、受講生が将来必要になる知識と感じて集中して授業を聞き、短時間ながら密度
の濃いものとなりました。また、質疑応答の時間では質問が絶えることなく続き、受
講生の関心度の高さが伺えました。

 今回は、1コマで50分という時間的制約のため、知的財産の各法域に関する表面的
な知識を伝える授業になりましたが、受講生の関心度の高さを考えると、法域によっ
てはもっと掘り下げた知識を伝えられる授業も面白いのではないかと思いました。

 同校では普段の授業でプログラミングを学んだり、地域イベントでオリジナル商品
を企画したりと、ものづくりに積極的な生徒が多いため、今回のような概要の包括的
な講義だけでなく、各法域を掘り下げて複数年1セットの授業プログラムを提供した
いと考え、その旨を同校の担当教諭に伝えました。


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