【会 場】江戸川区子ども未来館
【対 象】小学生16名(4年生:8名、5年生:7名、6年生:1名)
【担当講師】知財創造教育支援委員会 委員 金子彩子
根岸裕一
■授業の概要
まず、「こんなの、あったら、いいな!」と思うものを児童に考えてもらった。すぐには思いつかなかった子もいたが、最終的には児童全員がそれぞれのアイデアを発表してくれた。
次に、オリジナルの資料を用いて、知的財産権に係わる用語(著作:著作権、発明:特許権、デザイン:意匠権、ブランドマーク:商標権)の説明をし、その後に、著作、発明、ブランドマークについて、イラストやロゴを用いて解説を行った。具体的には、|作について、小説家、作曲家、画家、彫刻家のイラストで解説し、発明については、掃除というテーマで、イラストを用いたクイズ形式で、箒・塵取りの発明からロボット掃除機の発明までを解説し、ブランドマークについても、クイズ形式でスニーカーブランドのロゴを用いて解説を行った。クイズには、活発に回答がなされ、時には喧々諤々と児童間で意見交換が行われ、結果、正解に至る場面もあった。質問も活発になされ、「なぜ、知的財産は保護されるのですか。」のように講師を驚かせるような質問もあった。
続いて、オリジナルの資料を用いて、ユニークなお菓子の意匠(おにぎり型ケーキ、ジュース缶型ケースに入ったケーキなど)や、スーパーやコンビニで見かける身近な食品の意匠などを、クイズを交えながら紹介し、その後、意匠制度について解説がなされた。制度解説の中で紹介されたデザインについて、「これ、知っている。」等、児童から活発な発言が随所に見られた。
休憩を挟んで、ユニークなお菓子の意匠の講義を踏まえて、「粘土を使ったお菓子作り」の工作を行ってもらった。カラフルでよく伸びる樹脂粘土を使い、児童各自でユニークなお菓子や食品のデザインを工夫して、粘土作りを楽しんでいた。最後に各自制作した粘土について説明してもらった。
■ご依頼者様のコメント
導入の知的財産権全般についてのお話の時に、子どもから質問が出たのがよかったです。特に「なんで保護されなければならないのか」という質問は核心をついたもので、大事にしたい質問だと思いました。
児童からは、講義及び工作を通じて概ね好評であったと思われる。使用した色粘土の特質によってであろうが、思った色を作り出せないことに苦労したとの意見もあったが、工作自体は楽しかったとの意見が多かった。講義についても、難しかったこともあったが、いろいろな言葉を知れたこと、意匠について多くのことが知れたことを前向きにとらえる意見が多かった。中には「特許権の話が面白かった。ポンデリングの形で権利をとっていなくてもったいないと思ったけど、コンビニで買えて良いと思った。」等の具体的な感想もあった。
■担当講師の感想
講義当初より、質問が活発になされ、「なぜ、知的財産は保護されるのですか」等、講師を驚かせるような質問もあった。クイズにおいても、児童間で喧々諤々と意見が出され、結果正解に至る場面もあった。また、講義中においても、登録意匠例について「これ、知っている」等、活発な発言が随所に見られた。
工作では、それぞれが粘土作りを楽しんでおり、作品には児童各人の個性が発揮されていた。また、児童の中には、複数の色粘土を混ぜ合わせることで、多様な色を作り出そうと苦心する子も多くおり、その作り出され色の粘土を組み合わせることで、多様な食品の造形を作り出そうとしている姿が見てとれた。特に言葉として説明したわけではないが、意匠が「形状、模様若しくは色彩若しくはこれらの結合」であることを、工作という実践の中で、感じ取れていたのではないかと思った。