【会 場】町田市子ども創造キャンパス ひなた村 カリヨンホール
【対 象】受講者27名
【担当講師】東京委員会 森山 朗
知財創造教育支援委員会 高橋 洋平
■授業の概要
当日は以下のスケジュールで授業を行いました。
10:00-10:10 クラブ事務局からの説明
10:10-10:40 前半・座学:発明に関する電子紙芝居、知財に関する座学とクイズ
10:40-10:45(休憩)
10:45-11:30 後半・工作「小さな投入口のゴミ箱に対応する『ちりとり』を作ろう」
11:30-11:55 工作発表
11:55-12:00 授業アンケートの記入
(1)前半・座学
はじめに発明に関する電子紙芝居を上映しました。上映の電子紙芝居の題名は「パン職人レオ君の物語」です。その後、特許や商標などの知的財産の基本知識を説明したうえで、その基本知識を習得することを目的とした知財クイズを約10問行いました。出題したクイズの内容の一例は、発明に関する人物写真はだれか(例:トーマス・エジソン、ニコラ・テスラ)、地元プロサッカーチームであるFC町田ゼルビアのチームロゴは「特許」で保護されているか(答:「商標」で保護)、世界三大発明は羅針盤・活版印刷のほかには何か(答:火薬)です。各自のクイズの解答は配布済みの解答用紙に記入してもらい、クイズ正解者のうちの上位者の数名には、全員配布の発明に関する商品(お土産)のほかに、特別の商品をプレゼントしました。
(2)後半・発明工作
授業後半では「小さな投入口のゴミ箱に対応する『ちりとり』を作ろう」という題材で発明工作を行いました。これは、ちりとりの幅がゴミ箱の投入口幅よりも大きいとき、そのちりとり内のゴミをこぼさずに小さな投入口のゴミ箱に投入するためにはどうすればよいかという課題を解決するために発明をしてみようというものです。発明工作に使用できる材料は講師から指定されており、その工作材料は画用紙2枚、コピー用紙2枚、紙コップ2個です。同じ課題の解決でも受講者によってそれぞれ異なる発明を生み出すのがこの発明工作の面白いところです。受講者たちの柔軟な発想に講師は毎回感心させられます。また、発明工作が早く終わってしまう受講生向けに、先に説明した共通課題だけでなく、追加課題「A:ちりとりは片手操作、B:30度傾けてもこぼれない、C:風が強い屋外で使用、D:全てのゴミ箱サイズ対応、E:自分で考えた課題の解決」のいずれかを追加で解決する複合的な発明をしてみようと促しました。
工作作成の途中において、人類が発明をした際どのように考えてきたのかという過去発明の分析結果に基づく発明発想手法(例:TRIZの発明原理「分割」)を担当講師から受講生に簡潔にお伝えし、その手法も取り入れたうえで受講者が自分の発明工作を改良していく姿も頼もしく感じました。また、発明発想手法の説明の際には受講生だけでなく、付き添いの保護者たちが受講生の子供たち以上に熱心にメモ書きしている姿がとても印象的でした。
所定の工作時間の終了後の発表時間には、それらの発明工作を全員に各々説明してもらいました。受講生全員でいろいろなアイディアを共有することも受講生の開発能力を向上させることになったことと思います。発表終了後、受講生の素敵な工作にたたえるため、受講生全員に対して発明工作修了証を授与いたしました。
■受講生の感想
たくさんの受講生から「とても楽しかった」という感想と素敵な笑顔をいただきました。また、授業の具体的な感想としては以下のものをいただきました。
・かみしばいおもしろかった。クイズ楽しかった。
・クイズが1問だけ全く分からなかった。
・左右で幅の大きさを変えた。ゴミが落ちないようにしきりをつけた。
・持ち手を付けて、ごみを入れるところとごみを出すところのバランスをとった。
・ゴミが出ないようにした(講師注釈:ちりとりからゴミが落ちないようにした)。
・風よけや30度(講師注釈:ちりとり傾斜角)でも大丈夫なようにした。
・ひもでひっぱれるところを工夫した(講師注釈:ゴミ捨て時にちりとりの開口部を狭める機構を作成し、その機構の制御をひもで行う工作をし
た。)。
■依頼者の感想
当クラブでの「知的財産講座」では大変お世話になりました。お陰様で、先生方の講座は会員の子ども達のみならず保護者にとっても有益な講座となりました。私達指導員にとっても、です。保護者の方からは「とても分かりやすくお話を聞くことが出来ました」とのご意見をいただきました。
またチリトリの工作においては、子ども達はなかなかユニークな考えを持っているということがわかりました。充実した講座になりました。ありがとうございました。
また今後ともよろしくお願いいたします。
■担当講師の感想
受講生は授業に熱心に取り組んでくれました。特に、クイズに積極的に参加したり、工作の発表時間にそれぞれが工夫した点を自由に活発に発表したりしたことが素晴らしかったと思います。
授業後も受講生からの楽しかったコメントだけでなく、受講生の保護者や依頼者のクラブ指導員などから身に余るお言葉をいただき、誠にありがとうございます。今後も知財工作授業を通じて知財教育の一助になれたら嬉しい限りです。