【日 時】2025年7月13日(日)14:00〜16:00
【会 場】江戸川区子ども未来館
【対 象】小学4,5,6年生 11名
【担当講師】知財創造教育支援委員会 委員 斉藤進、小屋迫利恵
■授業の概要
2部形式で、前半は講義を、後半は工作を行なった。
講義の前半では、身近なキャラクターの具体例を提示しながら、著作権、著作物はどのようなものであるかについて、クイズを交えながら解説した。また、著作権と先に学習済みの産業財産権とを比較しながら、著作権の特徴を解説した。さらに、キャラクターに関連して、映画の著作物と美術の著作物との違いや著作物の保護期間について解説した。後半では、身近なキャラクターの活用例を提示し、クイズを交えながら、著作物の利用について解説した。クイズのたびに、児童から活発な意見が出された。
工作では、用紙を配布し、配布した用紙にオリジナルのキャラクターを描き、円形に切り取って缶バッジを作成してもらった。缶バッジの作成前に「他人の絵や写真を勝手に使わない」など著作権法上留意すべき点を説明した上で、缶バッジの作成に着手してもらった。オリジナルのキャラクターを考えることは難しい児童もいたが、全員1つ以上の缶バッジを作成できた。
■ご依頼者様のコメント
ご依頼元の担当者の方から、「著作権は種類や権利の範囲が多岐にわたるので小学生には理解が難しいと思われたが、講師の丁寧なご指導、とくに缶バッジづくりに著作権のエッセンスを盛り込んだ授業の手法が功を奏して受講生はかなりの理解を示していた。それは、缶バッジのデザインを「思いつかなかくて人のまねをしそうになったけど著作権の観点からそれを避けた」という受講生の感想に如実に表れているように思われた。」とのコメントをいただいた。
児童からは、「ちょ作けんにはいろいろなしゅるいがあった。」や「ちょさくけんはきげんをのばせないなど分かりました」、「自分でオリジナルを作るのはむずかしかったけど楽しかった」などの感想が寄せられた。
■担当講師の感想
著作権全般や著作権の利用について、興味を持って聴いてくれてありがたかったです。
工作では最近お米が高値気味のせいか、「お米は大切君」という米粒をモチーフにしたキャラクターを考えてくれた子がいました。子供は時代に敏感だなと感じました。またキャラクターが思いつかない子の一人には、図鑑の絵をモチーフにしてみてはどうかと誘導し、最終的に七色の金魚のキャラクターを考案してもらいました。皆さん、楽しそうにキャラクターを考え、怪我無く缶バッジを作成できてよかったです。
講義では、児童が、身近な著作物がどうやって守られているのか、どのようにして利用されているかを知ることで、知財を自分ごととして実感できた様子が伝わってきました。今後も、児童が、他人の権利を尊重する意識を育めるよう、このような学びの場を継続していくことの大切さを感じました。
工作では、自分だけのオリジナルデザインを考える過程で、思い思いのアイデアを楽しそうに描き、色づかいにも個性があらわれていました。缶バッジの制作中は、機材の使い方を覚えるのにも真剣に取り組んでおり、完成したときの達成感あふれる笑顔がとても印象的でした。