【日時】2022年7月22日(金) 14:00〜15:30

【会場】世田谷区立深沢小学校

【対象】小学生 40名

(1年:10名、2年:7名、3年:6名、4年:9名、5年:6名、6年:2名)

※当日は、欠席もあり36名参加。縦割り班18名×2クラス

【担当講師】知財創造教育支援委員会 原田 潤子、播磨 里江子

(オブザーバー:小屋迫 利恵、鶴田 聡子、竹澤 誠)

■授業の概要

 世田谷区立深沢小学校様では、子供達に工作等の課外体験を提供する深沢工房という小学校独自の委員会を運営されています。今回は、夏休みの
イベントの一つとして、「みんなで発明家になろう!」をテーマに工作授業を行いました。発明のテーマは空飛ぶおもちゃ。どうやったら遠くまで
飛ぶかな?という点を工夫し、最終的には各人が作り上げた発明を一斉に体育館で飛ばしてみるという授業を行いました。

 今回は、小学1年生から6年生という幅広い学年が参加する形となりましたが、コロナ禍を考慮し、工作授業(体育館での飛距離コンテスト前ま
で)については、各学年混合の2つのクラスとし、2つの教室(図工室、算数教室)に分かれて生徒間が一定の距離を保てる状態で作業を行いまし
た。

<スケジュール概要>

 (1)電子紙芝居、発明工作説明(20分)、(2)工作(工作中、発表をしたい人は工夫したところ等を発表)(35分)、(3)休憩と体育館へ移動(10分)、
(4)飛距離コンテスト(体育館にて)(15分)、(5)感想文、特許証など表彰式(10分)

(1) 電子紙芝居、発明工作説明(20分)

電子紙芝居「パン職人とレオ君の物語」の動画を各教室で投影しました。発明とは何か、について理解をしてもらいました。動画の後、発明工作
「空飛ぶおもちゃ」について、用意したパワーポイントを用いながら説明しました。動画で学んでもらった「工夫」に着目して、遠くまで飛ばすた
めの工夫、デザインの工夫、ネーミングの工夫など、様々な工夫の仕方があることを説明しながら、「特許」「意匠」「商標」という言葉にも触れ
てもらいました。子ども達は、興味を持った様子で真剣に聞いてくれていました。

(2)工作(工作中、発表をしたい人は工夫したところ等を発表)(35分)

 工作をした後、各人が作った「空飛ぶおもちゃ」を、体育館でどのくらい飛ぶか飛距離コンテストを行うことを事前に生徒達に伝え、自由に工作
をしてもらいました。紙皿2枚、紙コップ2つ、わりばし、方眼紙、はさみ、セロハンテープについては事前に各人の席に配布し、その他の材料
(色画用紙、折り紙、シール、モール、風船、ストロー、マスキングテープ、クラフトパンチ、のり、ホチキス、定規、クレヨン、マジック等)に
ついては自由に取りに使えるようにまとめて用意をしておきました。工作の途中で飛ばす実験をしたい場合は、教室の外に出て、廊下で試してよい
こととしました(事前に学校側に確認のうえ)。完成したおもちゃには、各自、学年と氏名、おもちゃのネーミングを書いてもらいました。最初の
5−10分はどう作るか迷う子もいましたが、いったん作りたい形が決まると集中して手を動かし、楽しそうに廊下で試作品を飛ばしては、時間ギリ
ギリまで改良をしていました。

(3)休憩と体育館へ移動(10分) 

 各人が工作した「空飛ぶおもちゃ」を持って、飛距離コンテストのために体育館へ移動しました。廊下にて1年生〜6年生の順番に並んでもら
い、順番に移動をしました。もともと2つの教室に分かれて工作授業を行っていた為、体育館に近い教室から先に移動をし、混乱を避けるように注
意しました。

(4)飛距離コンテスト(体育館にて)(15分)

 各人が工作した「空飛ぶおもちゃ」を、体育館の端から学年ごとに一斉に飛ばして距離を競い合いました。参加人数や飛ばす力なども考慮し、一
年生グループ、二年生グループ、三・四年生グループ、五・六年生グループの4つのグループに分けて各グループの1位〜3位を決定すべく、一斉
に2回ずつ飛ばしました。三年生以上のグループになると予想以上に遠くに飛び、体育館の横距離では足りずに壁に当たってしまう子も出てきた
為、急遽、体育館の縦距離を利用して測定するように変更しました。時間短縮のため、実際の距離測定はせず、落下点にマーカーを置くことによ
り、各グループの上位3位までを記録するようにしました。各自、ルールを守りながらも、最も楽しそうで盛り上がった時間となりました。

(5)感想文、特許証など表彰式(10分)

 飛距離コンテストが終わった人から、体育館近くの図工室に戻り、感想文を書いてもらうとともに、飛距離コンテストの表彰式授与(上位3名。
賞品は動物クリップペン)、子ども特許証の授与(全員)、参加賞(水平ノート)の贈呈を行いました。感想文は、低学年も多かったため、「たの
しかったこと」「くふうしたこと」「その他思ったこと」を書いてもらうように事前に説明しました。子ども特許証や賞品は好評で、嬉しそうに持
ち帰ってくれました。

■参加者の感想(一部抜粋しての紹介)

「とにかくかるいものをつくろうとしました。」(1年生)

「2いになれてうれしかったです。ちからをいれたらよくとびました。ブーメランのようにしたことがくふうです。」(2年生)

「ふうせんの力を利用するか、ゴムの力を利用するか、まよいました。」(3年生)

「さいしょは何を作ればいいかわからなかった。けど、色々な人にたすけてかわいいのができて楽しかったです。」(4年生)

「楽しかったことは摩さつ力をしらべたり形などを工夫してわりばしのふくろを外側にはって着地したときにすべりやすくしてさらに内側をけずっ
てかるくした。」(5年生)

「色々な物を使って工夫できるのが楽しかったです。短い時間の中で考えて作った物なので、全然飛ばなかったけれど、面白かったです。来年も
(もういないけど)やった方がいいと思います(何様w)」(6年生)

■ご依頼者様のコメント

「昨日はどうもありがとうございました。無事講座を開催することができ、感謝しております。空飛ぶおもちゃを作って飛ばす、という子どもが大
好きなものが詰まった講座で、様々な形のおもちゃを一所懸命考えて作る姿がとても印象的でした。そして飛ばした時に思っていたより飛んだ!と
喜んでいる様子が見ていてこちらも嬉しかったです。

本当にありがとうございました。また来年も、子供達の笑顔いっぱいのイベントにてご一緒させて頂けたら幸いです。」

■担当講師の感想

 コロナの影響で2年ぶりの開催ということもあり、事前打ち合わせの段階から、我々だけでなく、依頼側のご担当者の方々も久し振りの開催を心
待ちにして下さっていることが伝わってきました。募集においては、オリジナルのポスターも作成し、予想以上に応募していただけました。今回、
一時間半の中に講義・工作授業・飛距離コンテスト・表彰と凝縮したプログラムにしたことや、全学年が参加して縦割り班2クラスにするという珍
しい状況であった為、事前打ち合わせや事前下見を数回行い、教室からの移動時間等も含めた時間配分のシミュレーションを行ったうえで当日に挑
みました。それでも当日は時間が足りなく、移動や飛距離コンテストの際には、やや慌ただしい状況になってしまいましたが、当日は、依頼側のご
担当者の方々(4名)、高校生(同校卒業生2名)、オブザーバーの先生方(3名)が先回りをして積極的にお手伝いをして下さったおかげで、無事
に全員笑顔で終了することが出来ました。当日は全員が暑さで汗だくの状態でしたが、一つとして同じではない参加者36名分それぞれの「空飛ぶお
もちゃ」が完成し、精一杯の力を込めて遠くに飛ばす子供達の姿を見て、講師の我々の方が元気をもらえたような気がします。全学年混合の縦割り
班2クラスでの参加という点は特段問題もなく、寧ろ低学年の生徒達は、同じテーマで様々な工夫をして遠くに飛ばすお兄さんお姉さん達を見て良
い刺激を受けているように見えました。また、依頼側のご担当者の方々が最初から最後まで非常に熱心にご協力下さり、校長先生も当日は終日授業
を見守って下さり、とてもありがたかったです。             

(文責:播磨)




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